I'm going to watch blue bird fly over my shoulder

Feb 2, 2012

生きる

生きることについての映画を2つ観た。1つはDVDもう1つは映画館で。 

先週はティルダスウィントン製作主演の「ミラノ 愛に生きる」を観に行った。 

ミラノの大富豪の家系に嫁入りしたロシア女性の物語。 
エンマ(ティルダスウィントン)はミラノの歴史ある繊維会社を代々営んできたレキシ家で何不自由ない生活を送っている。 

美術館のような邸宅で、子供にも恵まれ子供にそろそろ会社の経営が譲られようとしていた頃、 
彼女は息子の友達の料理人に心を奪われてしまう。 

そこから今まで何不自由ない生活が、豪華絢爛な邸宅、家系が牢獄のように感じるようになる。 
料理人アレハンドロやったかな?の作る料理に魅了され、彼を想像し、恋い焦がれ 
やがて自我に目覚めていくエンマ。 

アレハンドロのどこかジプシーな魅力に取り憑かれ、女性として本能的に官能に目覚めていくエンマ。 
しかし、アレハンドロは息子の最も大事な友達であり、息子の将来のビジネスパートナー。 

エンマ、その子供、アレハンドロが待ち受ける運命は…。 
続きは映画館で!と言いたいところですが、映画館での上映が終わってしまいました。 
残念!DVDを待ちましょう。 


この映画、近年観てきた映画の中でも突出して映像、舞台である邸宅の美術品、セットが美しかった。 
ルキノヴィスコンティを彷彿させる映像と紹介があるように、その映像は豪華絢爛、美術館で絵を観てるような感覚です。 

そしてもう1つ映画を彩っているのが、ラフシモンズが手がけていた衣装。 
僕はクレイジーにラフシモンズが好きなので、すぐに分かりました。 
ラフが描く女性のエレガントが、アレハンドロのジプシー牧歌敵な、ライフスタイルにとけ込んでいた後半のシーンは美しかった。 



さてさて、次はようやくDVDが出たパールジャム 20 

グランジ二大巨頭といえばニルヴァーナとパールジャム。 
そのパールジャムの20年間を描いた2時間の映画。 
監督は「バニラスカイ、あの頃ペニーレインと」のキャメロンクロウ。 

この映画は数ある音楽ドキュメンタリー映画とまず、根本的に異なる所があってそれがこの映画の本質になっている。 

キャメロンクロウはパールジャムがデビューするずっと前から、彼らがまだ別のバンドをやってた頃から、彼らを追いかけ記録してきた。 
出演者と監督という関係ではなく、友人という立ち位置でパールジャムを見守り、ドキュメントしてきたキャメロンクロウ。 
30000時間撮り貯めていた映像を2時間にまとめたわけです 


パールジャムというバンドは日本で人気があまりありません。 
8年に1回ぐらいしか来日しないのもあるのかなぁ。 

カートが爆発的なグランジブームの中で、地に足つかず命を絶ってしまった。 
しかしパールジャムはなんとか今日まで、これからも活動を続けていくと思う。 

アメリカを代表するビッグバンドな彼らですが、その活動は地道でこつこつと積み上げられてきたものなのが、この映画で誰もがわかります。 

数々の困難を経験しながらも、その都度に立ち止まり、自分たちを振り返り、悩み苦しみ必死に進んできたバンド。 

何故、暗いことを歌うの?と聞かれエディヴェダーは「暗いこと、苦しいことを歌うことで幸せを感じられるから」と応える。 
2000年のフェス中に死傷者を出したロスキルド事件の後、「立ち止まって、遺族に何が出来るのか、考えるようになった」 
カートコバーンが「彼らの音楽は商業的すぎて、オルタナティブではない」という批判さえも、「カートの言葉のおかげで俺たちは道を踏み外さずやって来れた」と振り返る。 


そうした積み重ねは、バンドとしての歩みというよりか、一人の人間としての歩みだったのだと思う。こうした歩みを一人一人のメンバーが最小限の言葉でこの映画を語っていく。 

それがパールジャムの音楽の最大の魅力だと思うし、彼らの本質であると思う。 
No!ということに対しては、津波のように声を震わせて歌う。 
しかし、彼らは誠実で優しい。そして音楽は美しい。 

結成20年、今までもこれからもパールジャムは生きていくでしょう。 
この映画は純粋に観て良かったと思った。 
きちんと物語になっている。 
この映画が一人でもいっぱいの人が観て、次の来日のとき会場がいっぱいだったらいいなと思う。 

They are still Alive!